不良債権?

身近に、「仕事をしていない人」が結構いる。
家事は立派な仕事と見なすとして、教育を受けている人も含まないとして、
それでも相当数いる。

進学先が決まらず、そのまま家にこもりきりになってしまった人もあり、
進学したものの、ほとんど学校に行けていない人もあり、
就職ができずに、家にいるもあり、
就職したものの職場で上手くいかず、仕事を辞めた人もある。

みんな自分の知人であったり、知人の家族であったり、
あるいは職場の人であったりする。
身近な人であるだけに、サボっていると腹を立てる気にはならない。


しかし、お金の流れでみてみると、これはどうなのだろう。

親が子供の世話をし、教育を受けさせるのは、将来への投資と言える。
自分の老後の世話という見返りではなく、
労働して、社会貢献という形で還元される投資だ。
だからこそ税金が投入され、医療費や保育費、教育費が援助されている。

それなのに、その子どもが大人になっても労働しないとなると、
投資は回収できなくなってしまう。
不良債権という訳だ。ひどい表現だけれど。

家庭だけの話ではなく、企業も、仕事をずっと休んでいる社員がいるのは
不良債権を抱えているのと同じだと言えなくもない。

個人個人を責めるつもりは毛頭ない。
「全員がそれぞれの範囲で、精いっぱい頑張っている」というのが、
少しばかり性善説的だとしても、私の基本的な考えである。

時代というものだと思うのだ。
戦後や高度成長期と言われた時代に比べれば、現在の日本は裕福で、
「労働できるけれどもできない人」を抱えていても、大丈夫だ。

今のところは。

うつ病の人も増えた。
何がなんでも働かなくてはならないという社会規範も薄れた。
子供の数は増えない。
いつまでも大丈夫なはずはない。

このまま日本の経済が発展していくことはない。
どんどん減速していくのは明らかだ。

それなのに、いつまでも経済大国のつもりでいるのは、どういうことか。
憲法改正して、戦争をできるようにしようとして
大国と対等に渡り合おうとしているのは、どういう訳だろう。

先が見えていない政治家も、
見えているのに、票欲しさに景気のいいことだけいう政治家も、
国にとっては、不良債権ですよ。