死刑は嫌なのだけれど

光市母子殺人事件の犯人の死刑が確定した。

2011/5/27の「感情論です」という記事にも書いたのだが、
(残念なことに自分の書いた記事へのリンクの仕方がわからない)
私は基本的に死刑制度には反対している。
この「基本的に」と付く理由がこの事件なのだ。

被害者家族である本村さんは、ずっとメディアの前で発言し続けた。
私はそれをテレビ越しに見ていただけだが、
2008年に広島高裁の差し戻し審で死刑判決が出たとき、
ああ、よかったなと思ったのである。

私が死刑制度に反対するのは、人を殺すのは嫌だからである。
そしてこの感情が、とても重要な理由になると思っている。
それなのに、死刑でよかったなと思ってしまったのだ。
もう全面的に死刑制度反対とは言えなくなってしまった。

その後、この事件について書かれた門田隆将氏の著書
「なぜ君は絶望と闘えたのか」を読んだ。
本村さんがまさしく闘ってきたということが伝わる良著だった。

本が書かれた後も日々闘って来たのだろうと、
事件からの13年間の彼の人生を思う。

被害者の家族、関係者の心に少しでも平穏がもたらされるのなら、
死刑制度にも意味があるのかもしれない。

一方、更生して自分の罪の重さを知ることが一番の罰だという考えや、
大切な家族の命を加害者なんかの命で償えないという理由で、
死刑反対の被害者家族もいるのだ。

簡単に結論は出ない。
死刑制度について、まだまだ悩み考えようと思っている。