菅首相は何をした?

菅直人首相が退陣を迫られている理由がわからない。
何だかとてもよくないことをして、野党も与党もみんなが退陣を望み、
孤立しているのにもかかわらず、駄々をこねて辞めない、という印象だ。

だが、何をしたっけ?

何か記憶に残る悪いことがないのだが、何を理由に辞めさせられようと
しているのだろう。
震災前から辞めろ辞めろと言われていて、震災の混乱で延命した記憶があるが、
どうしてだったか。
震災後の対応がよかったとは言えないが、他の政治家がもっとよくできたとも思えない。

しっかり国会中継を見たり、じっくり新聞を読んでいたらわかるのかも知れないが、
テレビでぼんやりニュースを見ているだけの人間には、今ひとつ理由がわからない。
なかなか辞めない駄目な首相という情報ばかりが伝わってくる。

そんな中、菅さんが原発に反対して、あれこれやっているのはわかる。

菅さんの脱原発宣言なんて、実はとても立派ではないだろうか。
オバマ氏の核廃絶宣言のように、歴史的な宣言として取り上げられていいはずの
ものではないかと思う。
実現不可能な内容だと思うのは、どちらも一緒だというのに、
受け取られ方の違いはどうだ。
菅さんには批判しかなく、オバマ氏にはノーベル賞まで与えられた。
何が違うのか。

原発に絡む利権は巨大だ。政財界の原発推進勢力が反発をし、
菅さんを辞めさせようとしているというのは、邪推などではないだろう。
菅さんの熱烈支持者というわけでは決してないが、
批判ばかりしているマスコミや政治家が、誰のために発言しているのか考えると
どちらがよりましなのか、判断に迷うところだ。
大企業の利益が、裏で政治まで動かしていると思うと、失望してしまう。

表向き、つまり建前でも、政府が技術の進歩すべき方向を示す意味は大きい。
むしろ、正しい方向を指し示すことこそが政府の役割だろうと思う。
そうすれば、一気に技術開発が進むことがある。
だからこそ、脱原発宣言は、評価されていいと思ったのだが。。。

果たして菅さんは、首相の座にしがみつくだけの欲深き人か、
脱原発のために孤軍奮闘する英雄か。
さすがに英雄は言い過ぎかな。