菅さんを評価する

菅直人首相が福島第1原発事故被災者支援の基本方針で、被災者を「国策による被害者」としたそうだ。
その通り、今回の事故は、原発を推進してきた国策の結果なのだ。
素直に評価したい。

震災直後は存在感がなかった菅さんだが、原子力の専門家を呼んで勉強したことや
浜岡原発停止の決断をしたことは、なかなか悪くないと思っている。

今度の事故後、原子力関連の知識を得ようとしても、情報が氾濫していて混乱した。
専門家にも、工学分野や医療分野、いろんな立場からの意見があって、
私のような素人には、情報を得て判断を下すということが難しかった。
菅さんが専門家から情報を得ようとしたのは、「難しいことがわかっている」という点で評価に値すると思う。
知ったかぶりして、間違った情報を流すマスコミの何と多かったことか。
それに比べたら、菅さんの姿勢は正しいのではないだろうか。

浜岡原発も、利権のからむ中よく決断したと思う。
科学的根拠に乏しいと言われれば、そうだろう。
だが、英断だったと言われる時が来るかもしれない。
今の時点でも、国民の不安を多少なりとも取り除くことはできただろう。

菅首相を批判することは簡単だ。批判されて当然のこともあるだろう。
しかし、政治家やマスコミは批判するばかりで、評価はしない。
まさに未曾有の事態なのだ。政治家は批判しあっているのではなく、
一致団結して欲しいと思うのだが、できないものなのだろうか。

何よりも、被災者の支援と補償がしっかりと行われることを望む。