もしも子供に戻れたら

もしも子供に戻れたら、野球がやりたい。

もしも宝くじが当たったら、と、もしも食べても太らなかったら、と並ぶ三大妄想の一つ、もしも子供の頃に戻れたらに答える。私は野球がやりたい。

子供に戻れたらという妄想は、大抵何か新しいことを始めた時に浮かぶ。
若いときからやっていれば、もっと覚えがよかったろう、体力もあったろうと、上達に焦りを感じ、妄想し始める。
しかし、そんなこと思っても上達するわけでもなし、子供の頃でなくても今やれてるんだからいいではないか。だいたい物事にはタイミングというのがあって、大人になって始めたからこそ楽しめているのかもしれない。

そこで少々真面目に考えた。もし子供に戻ったら何がやりたいか。

数年前に、野球を始めたいと思ったものの、なかなか難しくて諦めた経緯がある。
女性のみの野球チームで、初心者も可という条件では、見つからなかった。東京に行けば、女性の野球チームがあるらしいが、それは地理的に無理。
自分で人を募るにしても、興味を持っていそうな知人はわずかだ。女性となるとチームを組めるほどの人数はなかなか集まらないだろう。

近所で草野球をしているのを見ると、羨ましい。そしてマネージャー的女子を見ると、なぜ自分もやろうとしないのか疑問を持ち、苛立ちを感じる。
男性のスポーツ人口の多さと、女性の対照的な少なさに。
百歩譲って、サッカーでもラグビーでも、チームスポーツをするのは、やはり難しい。

もうひとつは、身体能力の問題。中学時代に感じた、男子との運動能力が解離していく焦り、苛立ち、そして、あきらめ。
小学校の時なら、負けなかったのになー。

自分一人ではどうにもならないから、そして、子供のうちなら体力的に男子と渡り合えるから、もし子供に戻れたら、私は野球がやりたい。